アロマ―ジのコンセプトについて

こんにちは、モバホンです。前回までの記事ではアロマ―ジのカードについて紹介しました。今回はそれらのカードを使ってどうやって戦っていくのか、そのコンセプトについてお話したいと思います。

 

私がアロマ―ジデッキを使う上で一番意識すべきだと思うことがあります。それは「アロマモンスターは出しやすさの割に強い」ということです。たいていのデッキは下級モンスターが大型モンスターを活かすための土台となり、大型モンスターでゲームをコントロールします。それに対してアロマ―ジでは「下級であるローズマリー」や「動きのなかで自然に出すことができるレベル5シンクロのセラフィローズマリー」がゲームをコントロールし得る力をもっているのです。もちろんローズマリーよりライトニングを出した方が封殺範囲も突破範囲も広いです。セラフィローズマリーより強力なシステムモンスターなんて山ほどいます。しかし、動きやデッキ構築を制限しないような下級モンスターで相手の選択肢を奪い、自分の選択肢を増やせることが重要なのです。セラフィローズマリーに関しては起動効果で突破できない3000打点という5シンクロあるまじき性能を持っています。無理なデッキ構築を強いないので「ローズマリーで殴る」というコンセプトを崩さずに、妨害手段や返し札を環境に合わせて柔軟に変えることができます。もちろん場に出やすい反面、脆さも持ち合わせているので、「アロマ」モンスターで減らした選択肢を罠や手札誘発も用いて丁寧につぶしていくことがプレイングの肝になります。

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遊戯王においてプレイングにおいて大切なことは、大前提である「ライフを焼き切ること」の次点で、「相手の選択肢を潰すこと」と「リソース確保」であると考えています。アロマ―ジのカードは特に「相手の選択肢をつぶすこと」に特化したデザインになっています。上手く相手の動きを止めていくことができれば逆転の隙を与えずに勝ち切ることができますが、リソース回収手段と展開手段が乏しいため一度相手に優位を与えてしまうとそのまま押し切られてしまうことが多々あります。アロマ―ジのデュエルを端から見ていると一方的な試合が多く詰まらないと思います(使っている本人は駆け引きがあって楽しいのですが)。リソース管理は新規のセラフィジャスミンで容易にはなりましたが、それでもプレイングには非常に気を使います。常に相手に残されている選択肢を把握して、適切なところに妨害札を当てていかなくてはなりません。

 

例えば、相手の突破手段としてAとBがあったとします。このとき、万能無効をたくさん構えてAとBの両方の動きを止めていくという考えと、Aという選択肢をあらかじめ奪っておいて、Bの行動に妨害を当てていくという考えがあります。リソースと捲り手段が豊富だからどっちも止めないなんてデッキもあります。もちろんこのように明確に分けられるものではありませんし、選択肢を狭めた上で残された突破口に妨害の狙いを定めるというプレイングはどんなデッキを使っていても無意識のうちにやっていることだと思います。しかし、アロマ―ジデッキを使うときはより「自分ができること」「相手ができること」に考えを巡らせる必要があるのです。

 

このように「自分の選択肢を増やし、相手の選択肢を減らすこと」、つまりいかにテンポアドをとっていくかが重要になるわけですが、具体的に「アロマ」カードが獲得するテンポアドとはどのようなものなのか説明していこうと思います。

 

まず最も分かりやすいテンポアドは戦闘に対する耐性です。セラフィジャスミンが持つ単純な意味戦闘耐性だけではなく、下級のローズマリーがモンスター1体の攻撃を止めることも含みます。ガーデンやセラフィローズマリーの打点アップも戦闘での解決を許しません。相手は戦闘で解決できないとなると効果による除去に頼らざるを得ないため、そこに妨害を当てることができる訳です。バニラ青眼が並んでいるだけなのに突破に手こずるというような経験をしたこともあるでしょう。高打点を並べるということは、ライフの取りやすさの面から見ても大きなアドバンテージになるのです。しかし、アロマ―ジの場合はガーデンとセラフィローズマリーの維持が前提になっており、ここを崩されただけで瓦解する可能性があることには注意が必要です。

 

他には相手が稼ぐことのできるテンポアドを潰すこともできます。例えば相手の場にミネルバがいるとしましょう。このカードを普通に戦闘破壊してしまうと墓地肥やしに加えてこちらの場を荒らされてしまう危険があります。直接的には相手の行動を制限する効果ではありませんが、暗にバウンスによる除去やライトニングによる処理を強いることができ、相手はテンポアドを獲得していることになります。しかし、アロマ―ジではローズマリーの存在からこちらの選択肢を狭められることなくこれを除去することができ、本来相手が獲得するはずだったテンポアドを奪うことができるのです。

 

他にはシャドール・インフェルノイドなどエクストラデッキを使うことを躊躇させるようなデッキや堕天使・ネクロスのように特殊召喚そのものを封じてくるデッキもありますが、アロマ―ジの場合エクストラを使わない戦い方にシフトすることができます。ここでもテンポアドを稼いでいることが分かります。

 

また、2種のローズマリーに対して、2種のジャスミンは自分の選択肢を増やす役割をもっています。フィールドに残っていれば、ジャスミンは召喚権を増やし、セラフィジャスミンは任意の植物をリクルートすることができます。またせっかく消費を少なくしてローズマリーを出したとしても、回復でアド損してしまっては意味がありません。その点もきれいに補ってくれます。しかし、逆にこれらのカードがアロマ―ジの展開力を支えているため、維持が必要条件になります。アロマ―ジの展開パターンなどを動画などで見るとアロマ―ジに展開力があると錯覚しがちですが、ボードアドはこれらのカードを維持した上で成り立っているということを忘れてはならないと思います。

 

今回はここらへんで締めます。プレイングについてはまだまだ語り足りないところもありますが、次回は新規投入後の構築について書こうと思います。

 

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